2.2 タンパク質が間違って折りたたむことによる病気「フォールディング病」に関する研究

タンパク質は本来とるべき立体構造をとって生体中で機能を果たします.しかし時としてタンパク質が間違った構造に折りたたんでしまい,病気を引き起こすことがあります.このような病気をフォールディング病と言います.例えばアルツハイマー病はアミロイドβペプチドが集まってアミロイド線維という針状の物質を作ってしまうことが原因とも言われています.

アミロイド線維中でのアミロイドβペプチドの構造が実験的に最近わかってきましたが,どのようにその構造が形成されるのかといった詳細は未だに明らかになっていません.そこで,我々はアミロイドβペプチドがどのようにその構造を形成するのかを明らかにするための研究に取り組んでいます.そのための強力な手法としてクーロンレプリカ交換法という新しいシミュレーション手法を開発し,アミロイドβペプチドの立体構造を計算しました



図 左:アミロイドβペプチドの自由エネルギー地形  右:アミロイドβペプチドの立体構造

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